社長からのメッセージ~高い労働分配率は経営を圧迫するのか~
一般的に労働分配率が高くなると収益を圧迫し、経営診断上問題があると言われます。しかしながら、当社は、いかにして労働分配率を上げるか、という逆説的な命題に取り組んで来ました。確かに、人件費が増大すると労働生産性が低下した場合には収益を圧迫し、危険な要因になるのは紛れもない事実です。
では、より安全な方法で労働分配率を上げる方法はないのでしょうか?その代表的な方法として、本来固定費である人件費を変動費化する方法がありますが、それも行き過ぎると雇用形態の変化による諸々の問題が発生します。実際、非正規雇用の拡大が社会問題になって既に久しい状況です。
ならば、人件費だけが固定費なのでしょうか?要するに、人件費以外の固定費、とりわけ冗費を減らすことにより人件費を増やせば、トータルの固定費の増大を抑えることができ、必ずしも労働分配率のアップが危険な要因とはなりえないのです。逆に、人件費を抑制しようという経営側の意図により社員の労働意欲を萎縮させ、労働生産性を低下させることこそ、企業にとってもっとも危険な要因になりうるのではないでしょうか?